ジャッジといえばルール!ルールといえばジャッジ!
ジャッジといえばルール!ルールといえばジャッジ!
ジャッジといえばルール!ルールといえばジャッジ!
こんばんは、名古屋でMTGのL2ジャッジをしている「ふみ」です。

「ジャッジってこんなこと考えて楽しんでるんだよ」
ということを広めたくて始めた日記の第2回です。

最初に「毎週木曜日に投稿します」なんて言ったばかりなのに、第2回から早速4日も遅れてしまいましたが、遅れても投稿日を捏造できるのがDiaryNoteの良いところですね。


さて、先週は挨拶だけだったので、実質初回となる今週はどんなテーマで書いたものかと何名かの友人に何を書いてほしいか聞いてみたところ…

「ジャッジといえばルール!
 ルールといえばジャッジ!」

との声があったので、今週はジャッジらしく(?)マジックのゲームルールについてお話しします。


僕たちジャッジは、一体何が楽しくてゲームルールに詳しくなっているのでしょう。

僕のゲームルールの楽しみ方を紹介します。


マジックのゲームルールの一番大元になっている「総合ルール」は、とても複雑で膨大だという話をよく聞きます。
公式サイト:http://mtg-jp.com/rules/docs/CompRules_j.html#

「総合ルール」とは、ゲームがどのように進行しカードがどのように機能するのかを決めるルールです。総合ルールがちゃんとしていないと、ゲーム上の処理が曖昧になって問題が起きてしまいます。

確かに総合ルールはとても膨大で、一から十まで全部丸暗記するのはとても無理です。
でも複雑かというと、僕はそうとは考えていません。

マジックのルールはとても頭の良い人たちが考えて作っており、それぞれのルールが存在することには明確な理由があり、綺麗に整理されています。その結果、普段のゲームでは使わないようなものすごく詳細なことまで大量に厳密に明記されているため、詳しくない人にとっては複雑そうに見えるだけです。

総合ルールがきちんと整備されているということは、他のTCGに比べて特筆されるマジックのポイントのひとつです。

僕は裏設定オタですので、そんなルールを勉強する過程で、今まで知らなかった細かいルールを発見したり、今まで漠然としか意識していなかったルールを再確認したりして、そのルールが何故存在しているのかを考えることを楽しんでいます。


具体的な例を挙げましょう。

《帰化》で《安らかなる眠り》を破壊した場合、《帰化》は解決後に墓地と追放のどちらに置かれるでしょうか?
帰化/Naturalize (1)(G)
インスタント
アーティファクト1つかエンチャント1つを対象とし、それを破壊する。
安らかなる眠り/Rest in Peace (1)(W)
エンチャント
安らかなる眠りが戦場に出たとき、すべての墓地にあるすべてのカードを追放する。
カードかトークンがいずれかの領域からいずれかの墓地に置かれる場合、代わりにそれを追放する。

モダンやレガシーでよくある状況なので、ルールに詳しい人なら知っているかもしれません。

答えは、《帰化》は墓地へ置かれます。


では何故そうなるのでしょうか。

模範解答を示しますと、呪文として唱えられたカードは、解決の手順の一番最後に墓地へ置かれるというルールがあるからです。
参考:http://mtg-jp.com/rules/docs/CompRules_j.html#r608.2k
《帰化》の解決に際しての行動で《安らかなる眠り》が破壊されて戦場からなくなり、そして解決の最後に《帰化》が墓地へ置かれるので、《帰化》は《安らかなる眠り》の置換効果の影響を受けることはありません。

普段はカードを呪文として唱えたらそのまま墓地へ置くことも多く「解決されたら墓地へ置く」で問題はないのですが、実は呪文の解決はいくつかのステップがあります。


ではではもう一歩踏み込んで、何故そのようなルールが存在するのかを考えてみましょう。
ここからは妄想が膨らんでいきます。

ぱっと思いつくのは、単純に、それが自然ということでしょうか。
呪文はカードに書いてあることを行わなければならないのだから、最後までスタックに置いてあるのが自然な姿でしょう。最後までスタックになかったら、その後の処理を墓地を見ながら行わなければならなくなります。解決の途中で複雑な処理を含むカードは特に、最後までスタックの上に残っていないと処理を間違えてしまうかもしれません。

しかしまだパンチが弱いですね。
もっと決定的な理由はないかと考えて、仮に「解決の最初にスタックから墓地へ置く」というルールだったら困ることがないかとGathererを探してみましょう…


ありました。
こんなカードは困りそうです。
過ぎ去った季節 (4)(G)(G)
ソーサリー
あなたの墓地から点数で見たマナ・コストが互いに異なるカードを望む枚数あなたの手札に戻す。過ぎ去った季節をオーナーのライブラリーの一番下に置く。

仮に「呪文はその解決の手順の最初にスタックから取り除き墓地へ置く」というルールの世界線で《過ぎ去った季節》を唱えたらどうなるか考えてみましょう。

《過ぎ去った季節》の解決が始まります。
まず最初にスタック上の《過ぎ去った季節》を墓地へ置きましょう。
続いて墓地から手札に戻すカードを選びますが…、おっと、今使った《過ぎ去った季節》が既に墓地にありますね。これは手札に戻せます。君は《過ぎ去った季節》を手札に戻してもいいし、他のカードを戻してもいい。
そして《過ぎ去った季節》自身をライブラリーボトムに置こうとしますが…、おやおや、《過ぎ去った季節》はもうスタックに存在しません。できないので無視しましょう。この無意味な最後の一文の存在意義に疑問を抱きます。
※領域を移動したカードは、物理的には同じものでも、ルール的には「違うもの」として扱われます。

つまり仮のルールの世界線では、《過ぎ去った季節》はデメリット無しで、墓地からカードを何度でも回収できる、とんでもない爆アド呪文になってしまいます!過ぎ去れよ季節!


…と、ここらへんまで妄想を膨らませて、「ああなるほどやっぱり呪文が解決の最後に墓地に置かれることは必要なことなんだなぁ。」と納得してスッキリする、それが僕のルールの楽しみ方です。

いかがでしたでしょうか、あまり外には出さないジャッジの楽しみ方のひとつとして紹介になっていれば幸いです。
もっとも、ルール好きなジャッジにも楽しみ方は色々ありますので、別のジャッジはまた別の楽しみ方でルールに接していますが、それはいずれまた。


今週は以上です。
今度こそ、また来週の木曜日にお会いしましょう。

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